よくわかる免疫療法〜最新治療から実績のあるクリニックまでやさしく解説〜
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マクロファージ・樹状細胞

がんの免疫療法の中でも、最先端と言われる第5世代、第6世代の治療法でよく用いられる、樹状細胞、マクロファージについて解説してみたいと思います。 

マクロファージとは

マクロファージは、白血球の一種。私たちの体の中をアメーバーのように移動し、死んだ細胞やその破片を取り込んで食べてしまう細胞です。体の中の異物を掃除して回る、お掃除屋さんのような役割を果たしています。

マクロファージには、細菌やウイルス、それらに感染した細胞などを摂り込んで食べてしまう働きのほかに、取り込んだ細胞を元にサイトカインと呼ばれる物質を放出します。

サイトカインは、タンパク質でできた細胞間の伝達物質で、これを受けた取った細胞が活性化することで知られています。マクロファージが放出したサイトカインは、主にヘルパーT細胞と呼ばれるリンパ球の一種を活性化させると言われているそうです。

T細胞も免疫細胞のひとつですので、マクロファージからサイトカインを受け取って活性化すると、体の免疫機能のアップにつながります。サイトカインには、マクロファージが捕食した体内の異物についての情報が詰まっていますから、それらの異物を集中的に攻撃するよう、免疫機能に指示を出す働きもあるのです。 

樹状細胞とは

私たちの体の中で活躍している免疫細胞のひとつである樹状細胞。ほかの免疫細胞と同様に体の中を隈なく巡回して、異物やウイルスに感染した細胞、がん細胞などを摂り込んで破壊する性質を持っているそうで、名前の通り、細胞の周りに木の枝のように突起を伸ばした形状をしています。

樹状細胞ならではの特徴として挙げられるのは、周囲にある免疫細胞に、特定の細胞を攻撃するよう教育する働きがあること。

これを簡単に説明すると、自分がこれまでに出会って破壊した異物やがん細胞の中から、目印となりそうなタンパク質を取り出して旗のように掲げ、『このタンパク質を持っている細胞は敵です! みんな攻撃して!』と周囲に宣伝して歩く性質があるわけです。

特に強く働き掛けるのは、がん細胞への攻撃力が強く、キラーT細胞とも呼ばれるCTL細胞。この点においては、樹状細胞の方がマクロファージよりも効率よくT細胞を活性化させると言われています。 

樹状細胞が免疫療法で果たす役割

樹状細胞は、特定の細胞を攻撃するようCTL細胞へ働きかける力が強いとされているので、がんの免疫治療においては、樹状細胞が持つ教育を施す能力を最大限に利用する方法が取られます。

まず、患者さんの血液から取り出した未熟な樹状細胞に、同じく患者さんから取り出したがん細胞を融合させ、撃退したいがん細胞の遺伝子を持った特殊な樹状細胞を作ります。患者さんのがん組織の目印を持った樹状細胞を大量に作り出して、ワクチンとして投与するわけです。

樹状細胞は未熟なうちは異物となる抗原を取り込む力を持っていますが、抗原が体内に入ると成熟してほかの抗原を取り込まなくなります。しかし、そこからはCTL細胞を活性化するよう働きかける、“教育する能力”を特異的に発揮するようになります。

樹状細胞によって教育されたCTL細胞は、患者さんの体内で目印を元にがん細胞を探し出し、集中的に攻撃します。がん細胞だけを攻撃し、ほかの健康な細胞を攻撃することはないので、副作用もありません。さらに、患者さんが消したいがん細胞の情報を正確に取り込んでいるので、どんながんのタイプの方にも効果が期待できる治療法でもあります。

樹状細胞が特定の抗原を取り込んでCTL細胞を教育する能力を持っているからこそ、患者さんの病状に合わせた免疫治療が可能となるのです。 

 
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